京都の再発見

ymksk
2013年3月5 日、読了。

京都の懐に抱かれる本である。おのずと癒しの道は癒しの空間に続く。丁寧な道案内を受けて山道をわけいったような感覚になる。6章に分かれての訪ねる先は、狸谷山不動院、釘抜地蔵、千本えんま堂、赤山禅院、御蔭神社、六道の辻、伏見稲荷大社。地理を良く知る人なら、どれも山道というわけではない。幾処かを知るつもりでいたが、あらためて知るようなことが多く、稲荷大社の府では精緻を極める。著者がそれぞれ、心理学と宗教哲学を専門としていて、読み応えのあるやり取りとなっている。京都の緑陰深き謎に迫る好著である。

京都「癒しの道」案内 (朝日新書) 2008年11月30日発行  河合俊雄 鎌田東二

臨床心理学の専門家が、クライエントの話を聞き、京都に出かけて癒されるところから、二人の著者の、こころの未来研究センターのプロジェクトが始まる。クライエントを相手に癒されることの意味を知る筆者たちにとって、これまた、京都を再認識したものであろう。そこには日本の故郷の雅があったはずであるが、それを潜って、そこにはもうひとつの京都があったといってよい。