世
世という字を眺めてその字源を知りたくなる。象形文字だと言う。
そして、葉、枼の原字で、草木の枝葉の新芽の出ている形を示す、それによって新しい時期、世代をあらわすものか、白川学では説明するらしい。
それに対して、又は「十」を三つ重ねた「丗」を原字とし、自分の子へ継ぐまでの約三十年が元の意で幾世代も続くことを意味したものと、藤堂説がある。
その字の意義には、親から引き継ぎ、自分の子へ継ぐまでの時代、とあり、世代でもあるようだ。
この語が作る、世間、世界、そして、世の中、と、わたしたちにとっては日常卑近な存在にかかわる事象をとらえる。世間は仏教用語であり、出世間と世を二分して見る言葉のようだ。
さらに、日本ではこの用語は、この世、世の中、社会のことを表す。
変化してやむことのない、世
空間を指す、間
世間ずれの語義について、文化庁の調査報告があった。
>「世間ずれ」の意味
文化部国語課
「彼は世間ずれしているから,この仕事には合わないだろう。」 などと使われる「世間ずれ」。
「国語に関する世論調査」では,世代によってこの言葉が違う意味で用いられている傾向があることが分かりました。
問1 「世間ずれ」とは,本来どのような意味でしょうか。
答 世間を渡ってきて,ずる賢くなっているという意味の言葉です。
「世間ずれ」を辞書で調べてみましょう。
「日本国語大辞典 第2版」(平成12~14年・小学館)
せけん-ずれ【世間擦】 実社会で苦労して,世間の裏表に精通し,悪賢くなること。
「明鏡 第2版」(平成22年・大修館書店)
せけんずれ【世間擦れ】〔名・自サ変〕 実社会でもまれ,ずるがしこさを身につけていること。「まだ―していない青年」「―のした男」 [注意]世間からずれていることの意で使うのは誤り。
辞書が示すように,「世間ずれ」は,世間を渡ってもまれてきた結果,ずる賢くなっているという意味です。「ずれ」は漢字を当てれば「擦れ」であり,「明鏡」が指摘しているように,「世間からずれている」という意味ではありません。「日本国語大辞典」で「ずれ」を引いてみましょう。
「日本国語大辞典 第2版」(平成12~14年・小学館)
ずれ【摩・擦・摺・磨】《語素》(動詞「すれる(摩)」の連用形から) [3]名詞について,そのものと長いこと接して慣れが生じる意,また,そのために純真さやまじめさが失われる意を表す。「世間ずれ」「人ずれ」「悪わるずれ」など。
社会で経験する様々な摩擦や人との接触に慣れ,その結果,元々の純真さを失ってずる賢くなる,というのが「世間ずれ」です。
問2 「世間ずれ」について尋ねた「国語に関する世論調査」の結果を教えてください。
答 本来の意味である「世間を渡ってきてずる賢くなっている」と答えた人が過半数でしたが,30代以下の世代では「世の中の考えから外れている」という意味で使っている人の方が多いという結果でした。
平成16年度の「国語に関する世論調査」で,「世間ずれ」の意味を尋ねました。結果は次のとおりです。(下線を付したものが本来の意味。)
(ア) 世の中の考えから外れている・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・32.4%
(イ) 世間を渡ってきてずる賢くなっている・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・51.4%
(ウ) (ア)と(イ)の両方の意味で使う・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3.3%
(エ) (ア)や(イ)のどちらの意味でも使わない・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・7.8%
分からない・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5.1%
世界大百科事典 第2版の解説
せけん【世間】
元来は仏教用語で,サンスクリットloka(場所,領域)の漢訳語であり,世の絶えざる転変・破壊のさま,すなわち遷流を指す。またサンスクリットlaukika(世俗)の訳語でもあり,出世間(出家)して僧になるのではなく,俗世間にいることをいう。こうした原義から派生した形で,有為転変する世俗的な人の世,すなわち世の中,世界を指す用語となった。そうした意味での世間を表す語として,中国語の〈人間(レンジヤン)〉がある。
デジタル大辞泉の解説
せ‐けん 【世間】
《3が原義》
1 人が集まり、生活している場。自分がそこで日常生活を送っている社会。世の中。また、そこにいる人々。「―を騒がした事件」「―がうるさい」「―を渡る」
2 人々との交わり。また、その交わりの範囲。「―を広げる」
3 仏語。生きもの(衆生(しゅじょう)世間)と、それを住まわせる山河大地(器(き)世間)、および、生きものと山河大地を構成する要素(五陰(ごおん)世間)の総称。
4 人の住む空間の広がり。天地の間。あたり一面。「俄(にはか)に霧立ち、―もかいくらがりて」〈大鏡・道長下〉
5 僧に対する一般の人。俗人。「ある律僧、―になりて子息あまたありけるうち」〈沙石集・三〉
6 社会に対する体面やそれに要する経費。「―うちばに構へ、又ある時は、ならぬ事をもするなり」〈浮・永代蔵・四〉
7 この世の生活。財産。暮らし。境涯。「武州に―ゆたかなる、所の地頭あり」〈沙石集・九〉
そして、葉、枼の原字で、草木の枝葉の新芽の出ている形を示す、それによって新しい時期、世代をあらわすものか、白川学では説明するらしい。
それに対して、又は「十」を三つ重ねた「丗」を原字とし、自分の子へ継ぐまでの約三十年が元の意で幾世代も続くことを意味したものと、藤堂説がある。
その字の意義には、親から引き継ぎ、自分の子へ継ぐまでの時代、とあり、世代でもあるようだ。
この語が作る、世間、世界、そして、世の中、と、わたしたちにとっては日常卑近な存在にかかわる事象をとらえる。世間は仏教用語であり、出世間と世を二分して見る言葉のようだ。
さらに、日本ではこの用語は、この世、世の中、社会のことを表す。
変化してやむことのない、世
空間を指す、間
世間ずれの語義について、文化庁の調査報告があった。
>「世間ずれ」の意味
文化部国語課
「彼は世間ずれしているから,この仕事には合わないだろう。」 などと使われる「世間ずれ」。
「国語に関する世論調査」では,世代によってこの言葉が違う意味で用いられている傾向があることが分かりました。
問1 「世間ずれ」とは,本来どのような意味でしょうか。
答 世間を渡ってきて,ずる賢くなっているという意味の言葉です。
「世間ずれ」を辞書で調べてみましょう。
「日本国語大辞典 第2版」(平成12~14年・小学館)
せけん-ずれ【世間擦】 実社会で苦労して,世間の裏表に精通し,悪賢くなること。
「明鏡 第2版」(平成22年・大修館書店)
せけんずれ【世間擦れ】〔名・自サ変〕 実社会でもまれ,ずるがしこさを身につけていること。「まだ―していない青年」「―のした男」 [注意]世間からずれていることの意で使うのは誤り。
辞書が示すように,「世間ずれ」は,世間を渡ってもまれてきた結果,ずる賢くなっているという意味です。「ずれ」は漢字を当てれば「擦れ」であり,「明鏡」が指摘しているように,「世間からずれている」という意味ではありません。「日本国語大辞典」で「ずれ」を引いてみましょう。
「日本国語大辞典 第2版」(平成12~14年・小学館)
ずれ【摩・擦・摺・磨】《語素》(動詞「すれる(摩)」の連用形から) [3]名詞について,そのものと長いこと接して慣れが生じる意,また,そのために純真さやまじめさが失われる意を表す。「世間ずれ」「人ずれ」「悪わるずれ」など。
社会で経験する様々な摩擦や人との接触に慣れ,その結果,元々の純真さを失ってずる賢くなる,というのが「世間ずれ」です。
問2 「世間ずれ」について尋ねた「国語に関する世論調査」の結果を教えてください。
答 本来の意味である「世間を渡ってきてずる賢くなっている」と答えた人が過半数でしたが,30代以下の世代では「世の中の考えから外れている」という意味で使っている人の方が多いという結果でした。
平成16年度の「国語に関する世論調査」で,「世間ずれ」の意味を尋ねました。結果は次のとおりです。(下線を付したものが本来の意味。)
(ア) 世の中の考えから外れている・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・32.4%
(イ) 世間を渡ってきてずる賢くなっている・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・51.4%
(ウ) (ア)と(イ)の両方の意味で使う・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3.3%
(エ) (ア)や(イ)のどちらの意味でも使わない・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・7.8%
分からない・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5.1%
世界大百科事典 第2版の解説
せけん【世間】
元来は仏教用語で,サンスクリットloka(場所,領域)の漢訳語であり,世の絶えざる転変・破壊のさま,すなわち遷流を指す。またサンスクリットlaukika(世俗)の訳語でもあり,出世間(出家)して僧になるのではなく,俗世間にいることをいう。こうした原義から派生した形で,有為転変する世俗的な人の世,すなわち世の中,世界を指す用語となった。そうした意味での世間を表す語として,中国語の〈人間(レンジヤン)〉がある。
デジタル大辞泉の解説
せ‐けん 【世間】
《3が原義》
1 人が集まり、生活している場。自分がそこで日常生活を送っている社会。世の中。また、そこにいる人々。「―を騒がした事件」「―がうるさい」「―を渡る」
2 人々との交わり。また、その交わりの範囲。「―を広げる」
3 仏語。生きもの(衆生(しゅじょう)世間)と、それを住まわせる山河大地(器(き)世間)、および、生きものと山河大地を構成する要素(五陰(ごおん)世間)の総称。
4 人の住む空間の広がり。天地の間。あたり一面。「俄(にはか)に霧立ち、―もかいくらがりて」〈大鏡・道長下〉
5 僧に対する一般の人。俗人。「ある律僧、―になりて子息あまたありけるうち」〈沙石集・三〉
6 社会に対する体面やそれに要する経費。「―うちばに構へ、又ある時は、ならぬ事をもするなり」〈浮・永代蔵・四〉
7 この世の生活。財産。暮らし。境涯。「武州に―ゆたかなる、所の地頭あり」〈沙石集・九〉
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