源氏語り4

五十余帖
源氏物語を原文で読んで古典の文学世界にある世代のドラマを語ることができるか。
読書会を通してこころみてもそれは容易なことではないが、本質を語ることはさほどでもない。
一枚の絵、二枚の図、三つの場面を描けば、それから源氏物語は見えてくるのである。
源氏物語は五十四帖からなる。
巻物であった書物の形態で呼び方ではなく、帖綴じになった時期の作品である。
ふつうに五十四巻と言っているが、五十四冊の源氏物語りがあると思っていい。
源氏物語はどこから読んでも、一冊の物語になると解説することがある。
作者の書き方が、日本語の表現がそうなっている。
この冊数の実際はどうか、ここに、雲隠れ、という省筆のことがある。
そこで書き方によっては五十四帖というのを五十余帖となる。
巻物ではなかったわけだが、巻の名前として、巻名を言い、何々の巻と呼ぶ。
雲隠れの巻は、題名だけあって、本文がない。
表紙をつけて内容が書かれていない、しゃれたものである。
省筆が物語り一冊に行われている。それはなぜか、詳しくはわからない。
最初からそうであったか、巻名をつけて冊子にして揃えたときにそうしたか、あるいは本文が書かれていたが、取り去られたのか。
そこで巻名を数えると、これが現存の本で54となる。

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