統辞的な優位

日本語の主語否定論に肯定論が出れば、それを納得する、主格優位に日本語の現象が説明できれば、否定論を肯定論に鞍がえする、みずからは変説するそうであるが、それはどういうことか。
>主格の著しい統括的優位が見つかりそうにない 5.Subject ive 81ページ 文法小論集
主語を否定する論拠に、主席補語の主格の相対的優位について5か条があり、それぞれを解説する。
>Op.1. p.99 (現代語法序説-注)
1)主格はほとんどあらゆる用言に係るが、ほかの格は狭く限られている。
2)命令文で振り落とされる。
3)受け身は主格を軸とする変換である。
4)敬語法で最上位に立つ。
5)用言の形式化に最も強く抵抗する
分かりにくい解説である。5だけが主格優位にかかわると言う。現代語法序説を繰ることにして、相対的優位の式が示されていて、こちらがよく知られている。
例文には、甲が乙に丙を紹介した と挙げているもので、甲乙丙の論理的対等性を説く、といいながら、ややこしいこともあるようである。それはどこにも引用される、次の例である。
甲ガ 乙ニ 丙ヲ 紹介シタ 1. 文法と文法教育 17ページ
この式を、
甲ガ紹介シタ 乙ニ紹介シタ 丙ヲ紹介シタ
と説明しているとみてよい。
どれも対等に係るから、それは優位であるとは言えない、というのである。
ややこしいこともあると、さきに述べたのは、次のようなことを述べているからである。
>甲乙丙三者の論理的対等性を説く一方、統辞的な優劣にも気づいて、最初から次のような予防線も考えていたのであった。
・・・だから能動主格の場合だけは、日本文でもやや
「乙ニ丙ヲ紹介スル」トイウ行為ヲ主トシテ甲ガ行為スル
という思想を表していることになろう。(Op.1. p。122)
ここでの「統辞的な優劣」とは何だということになって、統辞的な優位を日本語の主語が持つとなると、主語の優位性はわかっていることであったか。となると、文法の形態論と統辞論で言及するのに、ここは国語文法と同じ品詞論どまりのレベルに見える。いったい、どの立場か。
それでもやはり、こういうところに主格と主語が違う文法機能を持つかどうかが分別されない、あるいはそのことにきづいていながら、学説があいまいなのである。

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