はかりごとは真実を伝えない、謀略

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戦争と文学 全20巻 集英社 創業85周年記念企画 別巻1 全巻を買った。  第3 巻は、冷戦の時代。第16回配本で、2012年10月発行。謀の字をつけている。冷戦の時代に育った思いからすれば、それはやはり戦争であったのかという思いだ。それがいつから始まった戦争であるかと記憶にはない。ベルリンの壁の崩壊をその終わりのことと、とらえれば、ベルリン封鎖ということがあった、それはしかし、知らない。ものごころつこうにも、その事実はすでに封鎖された東西ドイツであった。戦争が終わってまた戦争が続いたと理解するには、日本の敗戦がもたらしたものは、なおそれから、3年を経て、翌年の1952年に条約発効となる4月28日、実質、日本の占領時代が終わりを告げる、それはまた進駐軍から連合軍の支配へと勝者の基地支配を受け入れて新生した日本国が始まることなのだが、その状況下に冷戦時代を受けとることになる。

この巻頭の作品は五木寛之の、青ざめた馬を視よ、である。
1967年、雑誌『別册文芸春秋』九八号(昭和41年12月)初出。第56回直木賞受賞作。

青ざめた馬、には、その語の出自がある。
>ヨハネ黙示録第6章第8節にあらわれる、死を象徴する馬。
「見よ、蒼ざめたる馬あり、これに乘る者の名を死といひ、陰府(よみ)、これに隨ふ」

五木氏の作品はかつての私には謎解きであった。青ざめたる馬に乗る作家は死を迎える、有罪にせよ、無罪にせよ・・・それを仕組んだものは何なのか、誰なのか。陰謀の歴史的事件を繰り返す某当局は作品愛で打ち消される、フィクションでのことか、そしてそれを企てたひとりに編集長がいた。
この戦争の背景にあるものはファッショ体制と人種的偏見を持つ欧州社会の特異さであって、なぜそれを暴こうとするのに手の込んだ芝居を進行させたのだろう。その当時にはこれほどの感想を持ちえたわけではないが、虚偽の中に作られた真実とでもいうか、虚構であるが故の文学が追及するものとは、かけ離れているのが実社会である。