日本語文法の説75 複数の文
文章は文を複数にしたものとの解説に、最新版の解説には時枝説の文章についての概念を上げている。また、文章語を多用した文体に文章と言い、文語体とする辞書義には、さらに、それでは文章語はなにかとみるとトートロジに陥る。書き言葉、文語となる。文章と文とは同義とした明治期の西欧語の影響に、日本語には文という概念を持たなかったからであると類推をして、その文の規定に新たな議論をもって文法としようとしてきたが、結局のところ、皮肉にも単数複数の区別を持たない言語の捉え方、区別を持つわけだが、なぜか、文章を複数の文をつららねたものとして、それ以上の内容説明を、作文の文法、作品の研究までのを展開しようとして、文の論に終始してきたようである。精選版 日本国語大辞典の解説 >一つの主題でまとまった思想を表現するために、文(センテンス)を連ねたもの。主として、話しことばの談話に対して書状など書きことばについていい、また、詩歌に対して音数、韻などの比較的自由なものだけをさすことがある。
日本語文法の説65 文章体
2019/08/26 20:55:37
日本大百科全書(ニッポニカ)の解説
文章
ぶんしょう
文がいくつか集まり、かつ、まとまった内容を表すもの。内容のうえで前の文と密接な関係をもつと考えられる文は、そのまま続いて書き継がれ、前の文と隔たりが意識されたとき、次の文は行を改めて書かれる。すなわち、段落がつけられるということであり、これは、書き手がまとまった内容を段落ごとにまとめようとするからである。この、一つの段落にまとめられる、いくつかの文の集まりを一文章というが、よりあいまいに、いくつかの文をまとめて取り上げるときにそれを文章と称したり、文と同意義としたりすることもあるなど文章はことばの単位として厳密なものでないことが多い。これに対して、時枝誠記(ときえだもとき)は、文章を語・文と並ぶ文法上の単位として考えるべきことを主張し、表現者が一つの統一体ととらえた、完結した言語表現を文章と定義した。これによれば、一編の小説は一つの文章であり、のちに続編が書き継がれた場合には、この続編をもあわせたものが一つの文章ということになる。俳句、和歌の一句・一首は、いずれも一つの文章であり、これをまとめた句集・歌集は、編纂(へんさん)者の完結した思想があることにおいて、それぞれ一つの文章ということになる。[山口明穂]
『時枝誠記著『日本文法 口語篇』(1950・岩波書店)』
大辞林 第三版の解説
ぶんしょう【文章】
〔古くは「もんじょう」「もんぞう」とも〕
① 話し手または書き手の思考や感情がほぼ表現し尽くされている一まとまりの統一ある言語表現で、一つもしくは複数の文① から成るもの。一編の小説・評論・詩などの類。講演や複数の話者による座談など音声言語を含めることがある。それ自体で表現が完結しているものならば、和歌や俳句も文章といえる。
② 「文① 」に同じ。
ぶん【文】
① 言語単位の一。思考や感情を言葉で表現する際の、完結した内容を表す最小の単位。多くは複数の文節によって構成されるが、「待て」「さようなら」のような一語文もある。文字で表す場合には、通常、文の切れ目に句点「。」を打つ。センテンス。文章。
大辞林 第三版の解説
ぶんしょうたい【文章体】
文章語を多く用いた文体。文語体。
大辞林 第三版の解説
ぶんしょうご【文章語】
文章を書くときに用いられる言葉。
精選版 日本国語大辞典の解説
ぶんしょう‐ご ブンシャウ‥【文章語】
〘名〙
① =ぶんご(文語)①〔広日本文典(1897)〕
② 口頭語にはあまり用いず、特に文章を書くのに用いる言語。
※幼学読本(1887)〈西邨貞〉初歩「第二の初は俗文語より漸次に文章語に移るてふつがひにして」
世界大百科事典内の文章の言及
【文】より
…日常生活では〈文〉と〈文章〉とをあいまいに使うことが多いが,言語学などでは,英語のsentenceにあたるもの(つまり,文字で書くとすれば句点やピリオド・疑問符・感嘆符で締めくくられるおのおの)を文と呼び,文が(あるいは後述の〈発話〉が)連結して内容のあるまとまりをなしたものを文章(テキスト)と呼んで区別する。文とは何かについては,文法学者の数だけ定義があるといわれるほどで,とりわけ日本の国語学では,ただ定義を論じるのみならず,文の文たるゆえんを問おうとするようないささか哲学的な論議も従来から盛んに行われてきた。…
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