こと 事

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こと 事 日本語百科

こと 事である。言 事 このふたつは古代において同じ語源とするとらえ方がある。言に出た事の出現を解説する。そして事は、行為、行事である。もの と対比される。こと、もの、この語が覆う意味の範囲は広い。日本国語大辞典によると、次のようである。>(「こと(言)」と同語源か)時間的事態一般を広く指す語。

その細述は、以下の通り。項目を列挙する。
〔一〕形をもった「もの」に対し、そのものの働きや性質、あるいはそれらの間の関係、また、形のつかみにくい現象などを表わす語。
(1)人のするわざ、行為。
(イ)人の行なう動作、行為を一般的に表現する。
(ロ)古くは、特に、公的な行為、たとえば、政務、行事、儀式、刑罰などをさしていう。
(ハ)ある特定の行為を実質化せず、形式化して表現する。
(ニ)「…をことにす」「…をことにて(あり)」などの形で、それを唯一の仕事にしている、その行為に没頭している、それにかかりきりである、などの意味を表わす。
(2)多くの人々のなす行為、世の中に起こる現象などをさしていう。
(イ)諸事件、世の現象。
(ロ)事態、もろもろの行為の結果としての状態。
(ハ)事情、有様、状況、種々の事態の内実や、その様子、内容、理由などを表わす。
(ニ)事件、出来事、変事。特別な用事。「ことあり」「こと出ず」「ことにのぞむ」「こと に遇う」などの形のときは、事件、変事などの意を表わし、「こととする」「ことと思う」などでは、重要な事態の意で用いられ、指定の助詞・助動詞を伴って 述語になるときは、大変だの意となる。
(3)明確に言える物を、不明確な事態であるかのようにぼかしてさしていうのに用いる。
(イ)人をさして、その人に関する事柄をも含めて漠然という。
(ロ)生命のこと、また、死のことをいう。「こと切れる」などの形で、命の絶えることをいうのに用いる。
(ハ)食事をさしていう。後には、僧の夜食をいう。
〔二〕他の語句を受けて、これを名詞化し、その語句の表わす行為や事態や具体的内容などを体言化する形式名詞。
(1)そういう行為、状態など。  以下略

【語誌】
(1)ふつう、「もの」が、形を備えた物体、この世に生起するあらゆる現象のも とになる持続的な存在をいうのに対し、「こと」は、その「もの」の働きや性質・状態、変化の過程、「もの」と「もの」との関係などをとらえる語とされる が、実際には、ある対象を「もの」ととらえるか「こと」ととらえるかは、話し手の対象への対し方によって揺れがあり、必ずしも固定したものではない。→ 「こと(言)」の語誌。
(2)現象を空間的存在体と時間的事態に分析した場合の後者を一般化して指すのが〔一〕の用法で、修飾語によって具体性を示すのが〔二〕の用法である。